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自然環境を守る~里山再生への取り組み

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  今、日本各地で里山を守るさまざまな活動が推進されてきています。環境庁省は昔ながらの里山をモデルに生物の多様性を守る「SATOYAMAイニシャティブ」に取り組んでおり、これを名古屋市で開かれる『生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生き物会議)』で提案し、世界に呼びかけることを計画しています。日本の里地・里山のような地域はアジアにおける棚田や湿地、ヨーロッパにおける放牧地やブナやナラの林等世界各国に点在しています。この場所には多様な動植物が生息しているが、最近の大規模農園の開発等によって自然破壊が進んできています。
  このイニシャティブの長期目標は「自然共生社会の実現」であり、生き物会議の場で世界各国の政府や関係機関と連携し、情報や知恵を交換し合うネットワークを発足させようとしています。日本各地の里山は農耕の始まりと共に、3000年間にわたり人間が手を加えながら維持してきましたが、この半世紀の間に荒廃してきています。これは戦後の燃料革命によって薪や炭から石油に代わり、高齢化が進み、耕作放棄地が増えたことが原因です。現在、日本における里山は、国土の実に4割を占めており、過疎化が深刻な中山間地域では再生は困難な状況ですが、残すべき地域を選び関心のある住民が里山の再生に取り組んでいくことが必要です。
  本校では中学一年生の秋に里山での体験学習を行なっていますが、このような活動を通じて、生徒達が生物多様性の大切さや農林業における課題を考えていって欲しいと思っています。