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日本の文化と伝統~彼岸を終えて

tusin053_higan.jpg  tusin052_ohagibotamochi.jpg  まんじゅしゃげ(ヒガンバナ)            おはぎ

  わが国においては、毎年二回3月の春分の日と9月の秋分の日の前後3日間を合わせた一週間をお彼岸として先祖の霊を供養する習慣になっています。現在、日本では仏教が主流になっているため、秋彼岸最終日にあたる今日は墓参りや先祖の供養をされた人も多かったのではないかと思います。
  この供養というのは仏様の徳を敬う心の基調となるものであり、これを行なうことによって自分の徳が磨かれることになるのです。あまり知られていませんが、供養には次の六つがあります。
  一つ目は「花」で耐え忍ぶ徳、二つ目は「ご飯」で心をしずめる徳、三つ目は「お茶・水」で施しの供養、四つ目は「お灯明」で智恵の徳、五つ目は「お線香」ではげみ(精進)の徳、六つ目は読経の前に手に塗る茶色の粉の「お塗香(おずこう)」で、仏の戒めを守る徳です。
  また、彼岸には、仏壇にご飯の代わりに、もち米と小豆を使った「ぼたもち」や「おはぎ」をお供えしますが、この理由は小豆が邪気を祓(はら)うとされているからです。もち米とあんこで作った同じ食べ物の呼び方が違うのは、食べる時期が異なるためです。つまり、それぞれの季節を意識して名前が変えられており、春の彼岸には「ぼたもち(牡丹餅)」、秋の彼岸には「おはぎ(お萩)」という花の名前がつけられているのです。そして、牡丹餅には〝こしあん〟、お萩には〝つぶあん〟が使われています。何気なく食べている「ぼたもち」や「おはぎ」にもそれぞれ理由があるものですね。