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日印経済連携協定の締結

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  最近の日本の経済政策の中で、注目されるのはインドとの間で経済連携協定締結の大筋合意がなされたということです。これはEPA(Economic Partnership Agreement)と呼ばれていますが、グローバル化が進展する中で急速に世界の国々に導入されるようになってきています。
  これまでの世界の経済を振り返ると、安価な物資が流入すれば国内産業が大きな打撃を受けるということで、これを保護するために通常高率の関税をかけるということが行なわれていました。このような事態を改善し、自由貿易を促進する目的で世界貿易機関(WTO:World Trade Organization、)が創設され貿易の自由化が進みました。しかし、急速なグローバル化の中でWTOを通じた多角的な通商交渉が行き詰まってきており、更に踏み込んだ取り組みが必要になってきました。このため、近年は世界自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)の要素である物品やサービス貿易の自由化に加え、貿易以外の分野、例えば人の移動や投資、政府調達、二国間協力等の包括的な協定を行なおうとする動きが活発になってきました。これが経済連携協定(EPA)と呼ばれるものです。とりわけ中国や韓国は農業分野等で自国にとって不利な条件があっても、相手国との関係強化を優先して締結を強化しています。これに比べて、日本の動きは鈍かったため、輸出企業にとっては大きなハンディを背負っているというのが現状です。
  今回のインドとの経済連携協定(EPA)の概要は今後10年間で日本からインドの輸出品は90%、インドから日本への輸出品は97%が無税となるという内容です。インドはBRICsの一角を占め、世界第2位の11億人の人口を抱え、今後高い経済成長が見込まれています。人口減少による国内市場縮小や円高に苦しむ日本企業にとっても、今後最重要市場の一つになるのは間違いありません。これを契機に日本企業が旺盛な需要を取り込み、成長の追い風にして欲しいものです。