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高校全校朝礼~グローバル化への対応  B.O.P~

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 〝前回の全校朝礼では、「この110年間で世界の人口は4倍の69億人なったこと、今後、更に人口が増加(年間7~8千万人)し、2050年には90億人を超えること、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ連邦、トルコ、アルゼンチン)とする新興国がこれからも急速な経済発展を遂げていくこと。」等の話をしました。
  経済が発展するということは、さまざまなビジネスチャンスがあるということです。このビジネスが成り立つかどうかということについて、2つの靴のメーカーが行なった調査(マーケットリサーチ)があります。ある発展途上国で靴が売れるかどうか、それぞれのセールスマンが調査することになりました。この2人のセールスマンの答えは全く逆でした。1人は“この国では誰も靴をはいていないので、靴は売れません。”という報告を行ないました。これに対して、もう1人のセールスマンは、“大変有望な市場です。靴をはくことの快適さを知れば、人はどんどん靴を買うでしょう。”と報告しました。これを受けて、この会社はその国で靴を販売することを決定し大成功を収めたのです。
  今これと同じことが新興国を中心に起こっています。皆さんは“B.O.P”という言葉を知っていますか?これは“Bottom Of the Pyramid”の略で《ピラミッドの底辺》を意味する開発途上地域の低所得者層のことです。年間の世帯所得は3,000$(日本円で約25万円)以下です。Bottomという言葉は差別用語ということで、最近はBaseを使用するようになってきましたが、この貧困層は世界人口の60%弱、40億人にものぼります。そして、この層の市場規模は実に5兆$(400兆円~450兆円)という巨大なものです。そのためB.O.Pを巨大市場と位置づけ、ビジネスを展開しようとする動きが加速してきました。
これらのビジネスの特徴は ①現地のニーズに合わせた商品づくり(開発)を行なう ②現地住民をビジネスに巻き込みながら販売する ③現地のNPO法人と連携して、社会的な課題も解決する というものです。
  1つの例として、インドの農村部において大成功を収めているユニリーバという会社を紹介します。この会社の活動は、①シャンプーや洗剤、石鹸を小分けにして販売する ②農村の女性を販売スタッフとして採用し、収入を増やしてあげる ③手洗いは衛生的であるとの啓蒙運動を推進している ④現地にある400のNPO法人を連携している というものです。
  これまで日本企業は、このような動きに対して消極的で高級志向を目指してきました。しかし、これからはボリュームゾーンであるB.O.Pやこの層の上位に位置する中間層の市場に目を向けていかなければなりません。つまり、ターゲットをどのように絞るかということが大切なのです。〟