いい歯の日にあたって
1年にはさまざまな記念日がありますが、本日(11月8日)は 『いい歯の日』 です。つまり、11(いい)と8(は=歯)の語呂あわせですが、この日は1993年(平成5年)に日本歯科医師会によって決められました。それまでは6月4日が 『むし歯予防デー』 ということで、子どものむし歯を対象にした活動でした。そのため歯周病罹患率の高い大人やお年寄りを対象にした取り組みが必要であるということで、この 『いい歯の日』 が制定されることになりました。また、これと同時に4月18日を 『よい歯の日』 に制定し、4月、6月、11月の年3回、自分の歯を守ることを提唱することにしたのです。
そして、現在は「一生自分の歯で食べること」は、人生80年時代における健康づくりの基本の一つであり、その一施策として〝80歳になっても20本の歯を残そう〟という『8020(ハチマルニイマル)運動』が全国的に提唱されています。この趣旨は〝噛める歯が最低20本あれば、たいていの物は食べることができる、更に噛むことは脳を刺激し、老化防止にもつながる〟ということです。
私たちの歯は左右対称に生えており、歯の数は乳歯で20本、歯が生え変わった後の永久歯は28~32本です。人間の歯にはそれぞれの役割があり、前歯は8本で薄くて先が鋭くなっていて、食べ物を噛み切る役目を持っています。前歯の隣の犬歯は4本で先のとがった円錐形をしていて、食べ物を食いちぎったり、引き裂いたりする役目です。そして、奥歯は16本~20本で臼のような形をしているので臼歯と呼ばれ、食べ物をすりつぶす役目を持っています。これは永い間の人間の進化を表しているのです。前歯は果物や野菜、犬歯は肉、臼歯は穀物を食べるのに適しています。従って、歯の数の割合で食物をとる、つまり穀物が50%~62.5%、果物や野菜が25%、肉が12.5%の割合が良いとされています。最近、ファーストフードを摂る人が増えてきていますが、今一度自分の歯の状態や食事の内容を見直して欲しいと思っています。