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中学校全校朝礼~日本の水と牛丼

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  11月17日(水)、中学校の全校朝礼において、日本の水と牛丼というテーマで次のような話をしました。

  〝中学3年生は沖縄への研修旅行、中学2年生は大山への林間学舎、中学1年生は里山体験と環境に関する活動に取り組んでいただいています。そして、この全校朝礼においては環境に関する話をしていますが、今日は”日本の水と牛丼 “というテーマを取り上げたいと思います。
まず、皆さんに日本の水について質問してみたいと思いますので、必ずどちらかに手をあげてください。
「日本は水が豊富にあるか?」「日本は水が足りないか?」
         正解は“水が不足している”です。
  日本の年間降水量は1,718mmで、世界の平均の倍です。しかし、1人あたりにすると世界平均の3分の1しかありません。にもかかわらず、水不足を実感しなくてもすむのは、食料を輸入することで水の消費を押えているからです。
  皆さんは毎日、さまざまな物を食べていますが、食料を生産するためには、多くの水が必要です。例えば、皆さんが食べているパンの材料となる小麦1kgを生産するのには、どれ位の水が必要かわかりますか?   何と1,000ℓです。
  このペットボトルは500mlですから2本で1ℓ、このペットボトルなら2,000本が必要ということになります。米1kgを生産するには3,600ℓの水が必要です。ところが鶏肉や豚肉や牛肉では更に多くの水が必要になります。何故ならトウモロコシ等の穀物を食べるからです。このため牛肉1kgには20,000ℓの水が必要になってくるのです。日本はこれらを輸入することによって、同時に水を輸入しているのです。
  皆さんは牛丼を食べたことがありますか? ほとんどの人が食べていますね。今、牛丼業界は競争が激しく、吉野家やゼンショウ、松屋等がしのぎを削っていますが、それでは、牛丼を一杯作るのに、水はどれ位つかわれているでしょうか?
          答えは2,000ℓです。
  牛丼一杯に、肉(1,450ℓ)、米(450ℓ)、玉ねぎ等を加えると約2,000ℓという大量の水が使われているのです。
  「いつも皆さんには食べ残さないようにしよう」と言っていますが、日本で廃棄されている食料で、世界の飢餓に苦しんでいる人達を救うことができるのです。そして、食べ残さないということは水を大切にするということにつながっているのです。
是非、水の大切さを知り、食べ物を残さないようにして欲しいと思っています。〟

≪参考≫
 輸入食料の中に占める水は〝バーチャル・ウォーター〟と呼ばれています。