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読書の効用

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  急速に秋が深まり、朝晩はめっきり冷え込んできました。歳時記には「秋涼の日がつづき,夜も長くなると読書に団欒(だんらん)に燈火が親しまれる」と記されており、このことから読書の秋を象徴する「燈火親しむ候」という季語がよく使われています。これは「李杜韓白」*と呼ばれる唐の四大詩人の一人である韓愈(かんゆ)が息子の符(ふ)にあてて書いた手紙の中の「涼しく夜の長い秋は、燈火の下で読書するのに適している」という一文に由来するものです。つまり中国の唐の時代に、都会で勉強している息子に対して「本を読みなさい」と忠告した言葉が日本でこのように季語として使われているのです。もちろん、秋は夜だけでなく昼間も読書するのに快適な季節です。
  「本を読むと若くなる」と言われますが、それは読書が心の健康に役立つからです。つまり軽いスポーツや散歩が、身体の健康を支えるように、本を読むことが頭の体操になるのです。また、「本を読むと美しくなる」とも言われますが、常に優れた本と呼吸し心を豊かに働かせている人は、自然に目の輝きが増して、自信のある引き締まった顔立ちになります。
  また、子どもの言語能力を高めるためには、読書が最も効果的であると言われています。本を読めば読むほど色々な文章に接することになり、新しい言語をどんどん覚えることになります。
  しかし、「子どもたちの読書離れ」と言われて久しくなりました。特に、小中高と学年が上がるほど本を読まない割合は高くなっていますし、大人の読書離れも顕著になってきています。最近、わが国において国語力の低下が叫ばれていますが、この原因は日本人の読書量の減少にあるのは間違いないでしょう。これは携帯端末やパソコンの普及により、活字よりも安易で刺激的な情報メディアへの興味関心が強まったことやゲーム等に時間が奪われていることによるものだと思いますが、読書の効用について今一度考えてみたいものです。