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B.O.Pに対する取り組み

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  先日の高校の全校朝礼でB.O.P(Base of the Pyramid)の話をしましたが、生徒達からも色々な質問が寄せられています。本校の生徒の中にはボランティア活動に対する意識の高い生徒が数多くいます。しかし、漠然とした思いはあっても具体的にどういうことをすればよいのかは分らないという状況です。困っている人達のために何とかしてあげたいという気持ちは非常に大切なことだと思いますが、その前にまず自分がどうして生計を立てていくのかということをしっかりと考えておくことが必要です。社会に出てからも自分の生活費は親から出してもらってボランティア活動をするということなどありえません。困っている人を支援することを通じて事業展開をはかっていくということを考えて生まれてきたのが「B.O.Pビジネス」と言われるものです。
  B.O.Pというのは世界の所得別人口構成の中で、最も収入が低い所得層を指す言葉ですが、地球上の約40億人がこの層に該当しており、B.O.Pビジネスは、市場規模が約5兆ドル(400兆円~450兆円)にも上ると言われています。これは日本のGDPに匹敵する膨大な金額です。そして、B.O.P層のうち実に30億人がアジアに居住しています。言い換えるとアジアの人口の80%がBOP層なのです。企業にとっては利益を追求しつつ、低所得者層の生活水準の向上に貢献できるという「Win-Winのビジネスモデル」が求められるため、現地でのさまざまな社会課題の解決をはかるという基本的な姿勢が不可欠です。具体的には、水や生活必需品を提供したり、低所得層にも購入可能な商品を販売して健康を増進したり、新たな雇用を生み出すことにより貧困を削減する等があげられます。
  すでに世界のさまざまな企業がB.O.Pビジネスに参入していますが、日本は欧米諸国と比較して、具体的な活動事例が少ないのが現状であり、経済産業省も本年7月に『政策的支援の方向性と具体的取り組み』と題する提言を発表する等官民連携した新たなビジネスモデルの構築をはかろうとしています。