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大学進学の意義

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  本校の生徒はほとんど全員が大学に進学していますが、「何のために大学に行くのか」ということをしっかりと考えた上で、志望先を選んでいくことが何よりも大切です。近年、大学への進学率が上がり二人に一人が大学に進むということになってきました。そして、今は学校や学部を選ばなければ、希望者全員が大学に進学することができるという『大学全入』の時代を迎えてきています。この理由は、多くの大学が生徒を確保しなければ経営が成り立たないために、さまざまな施策を導入するようになってきたからです。つまり、一定の学力があれば、試験なしで入学を認めるという「指定校推薦」や論文と面接が中心の「A・O」、「公募推薦」といった入試制度です。このような入試を選択する生徒の中には、苦手科目を避けるとか、楽をしたいからという理由で大学を選ぶ傾向も見られます。この結果、大学生の学力低下が顕著になってきています。一時、〝分数のできない大学生〟ということが話題になりましたが、これらの学力低下を何とかカバーするために入学前の補習や入学後の特別講習を行なう大学も増えてきています。これは取りも直さず、大学進学の学力が備わっていないということです。そして、日本の大学は他国に比べて卒業の基準が厳しくないため、大学卒業レベルの学力がつかないまま社会に出るということになってしまいます。
  このため企業ではこれまで入社後に再教育をしたり、特に理系については即戦力ということを考えて大学院生を採用してきました。しかし、今は企業のグローバル化の進展に伴い、広く世界から社員を確保しようという動きが加速してきています。この結果が就職内定率の低下という現象に繋がってきているのです。これからは真の実力主義が浸透してくるのは間違いありません。そのためには中学・高校・大学を通して人間力や学力をベースとした社会で役立つ力をしっかりと身につけておくことが大切です。大学進学にあたっての安易な選択は絶対に避けて欲しいと思っています。