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漢字の起源

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  生徒達は校内の大漢字テストに続いて、先日漢字検定に挑戦しましたが、最近私も通勤時間を利用して、漢字に関する本を読み始めています。そうすると漢字に関する色々な興味深いことが解ってきました。
  私はこれまで漢字は中国の「漢」の時代に使われだしたと思っていましたが、『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』によると、実はもっと古くから使われていたようです。今日は、この本の内容を紹介したいと思います。
  〝漢字のルーツを辿ると、今から3200年前、中国の安陽(河南省)に都した「殷王朝」がトいに用いた亀の甲羅の腹や牛の肩甲骨などに文字を刻した甲骨文字が始まりです。殷から「周」の時代にかけては青銅器に文字を鋳込んだ金文(約3000年~2300年前)があります。その後、「周」のあとをうけた「秦」の始皇帝が統一した小篆(しょうてん)(約2200年前)という字形を経て、漢の時代に現在使用している漢字にほぼ近い書体が生まれました。そして紀元100年頃に後漢の許慎が、それまでの文字を体系化して「設文解字」とまとめ、これが長い間漢字の聖典として扱われていました。ところが1899年に殷の時代の甲骨文字が発掘され、解読が進むにつれて、この「設文解体」には多くの間違いがあることが解ってきた、ということです。
  
  白川静氏の功績は膨大な金文を精密に読み込んだ研究により、新しい漢字の体系を打ち出したことであると言われています。私もこれまで何十年間も漢字に接してきましたが、あまりにも知らなかったことが数多くあります。どのようなことも勉強すればするほど奥深いものがあると感じています。この本の続編として『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』が出版されていますので、これも読んでいきたいと思っています。