血の滲むような努力~イチロー選手の偉業
今年のプロ野球は、大リーグのワールドシリーズでのジャイアンツの優勝、日本シリーズでのロッテの優勝で一年間の幕を閉じました。毎年、この時期にはドラフト会議で注目を集め、多くの球団から指名されてプロ野球の世界に入る者がいる一方で、戦力外通告を受けて退団する者やトレードになる者等悲喜こもごもの状況です。期待されながら活躍できずにユニフォームを脱ぐ者と大して注目されなかったのにもかかわらず大活躍している者との違いは何かを一言で言い表すと「努力」ではないかと思います。
「今、プロ野球界で最も活躍している人は誰ですか」という質問をすれば、ほとんどの人がイチロー選手の名をあげるのではないかと思います。イチローは今年200安打を記録し、自らの記録を更新すると共に100年以上の歴史を持つ大リーグにおいて「10年連続」という回数でピート・ローズに並びました。
この試合の後、イチローは「200安打が簡単ではないことは僕が一番知っている」と安堵(あんど)感を漂わせながら答えていましたが、単に1年間だけではなく10年間続けるということは日々の体調管理が万全でなければ達成できないことです。これは、以前マリナーズで同僚であった阪神タイガースの城島選手の「記録の更新は凄いが、これを達成するための努力はもっと凄い」という言葉に端的に表わされているように感じます。
このように社会で注目を集めている人は誰も見ていないところで、血の滲むような努力を継続しているのです。私達は活躍している華やかな姿だけを見がちですが、その陰に隠れた努力を見逃してはいけないと思います。