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グローバル化の推進~小松製作所

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          高校朝礼にて                コマツ建設機械

  12月15日(水)、高校の全校朝礼で代表的なグローバル企業である小松製作所の取り組みを紹介しました。

  〝皆さんはグローバル企業といえば、どの企業をイメージしますか?
真っ先に自動車メーカーであるトヨタやホンダ、次いで電機メーカーのソニー、パナソニック、キャノン等を思い浮かべると思います。しかし、もっとグローバル化の進んだ凄い企業があります。それは、小松製作所です。何故「小松製作所」と言うのか知っていますか?
それは企業の発祥の地が、石川県の小松市だからです。創業は1917年(大正6年)で、元々は鉱山会社でした。その後、1950年代から海外への輸出や海外への工場展開を進めてきましたが、1960年頃キャタピラー社が日本に進出してきたのです。当時日本の機械の耐久性は、外国製の2分の1しかなかったため、このままでは事業を継続していくことは不可能な状態にまで追い込まれたのです。そして、この危機を脱するためにコマツでは、2つの戦略が打ち立てられました。1つはマルA対策で〝品質の向上をはかる〟、もう1つはマルB対策で〝世界に打って出る〟というものです。この危機を改革の好機ととらまえて、本格的にグローバル企業としての動きを加速させたのです。
  現在、コマツは世界50カ国に工場を持ち、従業員の半数以上は外国人労働者です。売上高は1兆8000億円を超え、営業利益は2000億円。実に利益率は10%超という好業績を残しています。しかし20世紀後半には、経営面で大きなピンチがありました。皆さんの知っている関西外国語大学の枚方キャンパスはかつてはコマツの大阪工場でしたが、赤字を解消するために、この工場を売却して経営再建を図ったのです。
コマツの強みは、何と言っても他社にないダントツ商品です。代表的なものとしては「ハイブリット式の油圧ショベル」ですが、この一台の値段は1700~1800万円です。また、GPSを使った「超大型ダンプトラックの無人運行システム」を持っています。このシステムは現在チリやオーストラリアの鉱山で使われていますが、無人で運転することができるため、大幅な人件費の削減につながっています。
  また、衛星やGPSを利用して、「建設機械の位置や稼動時間、燃料の消費等を確認し、自動制御できるシステム」も導入しており、〝24時間365日のサービス体制〟を実現しています。そして遠隔操作により、スイッチを切ることができるため、このシステムは盗難防止や円滑な代金の回収にも役立っているのです。
  危機をバネにして品質を向上させグローバル展開を図ったこと、他社にない商品の差別化を図ったこと、簡単に真似できないように主要な部品はすべて自社で作るようにしたこと等、コマツに学ぶべきことは非常に多いと思います。皆さんには、これからもこの朝礼を通じて特色ある企業の取り組みを紹介していきたいと思っています。〟