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平成23年成人の日にあたって

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  1月10日(月)、本日は元日に続く2番目の祝日となる『成人の日』です。この日は〝おとなになったことを自覚し自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます〟ということで、1948年(昭和23年)に施行された「祝日法」により制定されました。世界的に見ても、このような祝日は珍しいと言われていますが、太平洋戦争後、国土が荒廃し物資も食料も不足していた時代に最も必要とされていたのは「国を再建していく人材」でした。良い「国家」を作っていくためには、国民自身が成長していかなくてはならないと考え、〝こどもから大人になった自覚を持ってほしい〟と願ってこの日を祝日にしたと伝えられています。そして、当初は古来より元服の儀式が行われていた小正月の1月15日になっていましたが、2000年の「ハッピーマンデー法」により1月の第2月曜日に改正され、現在に至っています。
  今年の新成人は124万人(男性63万人、女性 61万人)で、総人口1億2736万人に占める割合は0.97%ということになり、総務省が新成人の人口推計を始めた1968年(昭和43年)以降、初めて1%を割り込むことになりました。
  インターネットの調査会社であるマクロミルの発表によると、今年成人式を迎える新成人の90%が日本の将来に不安を感じており、この理由(自由回答)としては不景気や就職難を挙げる声が多いようです。そして、日本が取り組むべきこととしては「雇用対策」(75%)、「景気対策」(70%)という回答が高率になっており、低迷する日本経済状況を反映しています。しかし、一方で頼もしいと感じるのは「自分達の世代で日本を変えていきたい」と思っている人が68%に上り、経済、政治に関心があると答えた人の割合はそれぞれ82%、75%と非常に高くなっていることです。
  これまでの歴史を振り返ると、明治維新も戦後の日本も若い人達のエネルギーが国を変えてきています。今年の新成人は全員が平成生まれで、日本の高度成長期や「メイド・イン・ジャパン」が世界を席巻していた右肩上がりの時代を全く体験しておらず、生まれてから今日まで、ずっと経済の低迷の中で生活してきています。そして、グローバル化が進む中で就職の氷河期が彼らを襲ってきているのです。
  我々の世代は、チャレンジしない、元気がない等といった批判をするのではなく、若者のおかれている社会の現状を理解し、若者が力を存分に発揮できるような環境づくりをしていかなければならないと思っています。