卒業式の式辞より~①高い志を持つ
先日の高校卒業式では卒業生に対して三つの話をしましたので、これらを紹介します。
〝まず一つ目は『高い志を持つ』ということです。
本校の校是の最初に掲げてあるのはこの「高い志」です。志というのは決して単にお金や地位や名声を得るといった利己的な満足を追い求めることではありません。 〝人間として世のため、人のために尽くす〝 という気持ちが大切です。高い志を持つということは、即ち、高い目標を設定し、日々この達成に向けて努力するということに繋がります。
初代理事長であった鳥井信治郎氏は 常々 〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟と言っておられたようです。人生においては やろうか、やるまいか 迷うことがあります。そして、失敗したらどうしようということを考えて行動を起せないケースが多いのです。勿論、やればすべてがうまくいくとは限りません。全力でやってもうまくいかないこともあります。しかし、挑戦しなければ何事も実現しません。
人の一生は失敗と成功のくり返しであり、失敗し続けることもなければ成功し続けることもありません。今、社会で活躍している人を見ると、これまで実に多くの失敗をしてきています。このことからも分かるように、たとえ一時的に失敗しても成功するまでやり続けることが大切なのです。
皆さんは是非、高い志を持ち、失敗を恐れず、やってみなはれ精神で、何事にも果敢に挑戦する。そして、失敗した時には他の責任にせず、素直に反省して次に備える。また、成功した時にも有頂天にならず、まだ足りないところがあったのではないかと考え更に自己研鑽をはかってください。〟
学歴の高い人が陥りやすいのは、あれこれと考えるあまり、できないことや難しいことの理由が先行するということです。私のこれまでの経験でも新しいことをやろうとすると、反射的に「難しい」という否定的な言葉を発する人が多かったように感じています。この姿勢では何時までたっても大きな仕事はできません。「まずやろう」ということを決めて、次に方策を考えていくことが大切であると思っています。