中学全校朝礼~ゴミを資源化する
先週の水曜日の中学全校朝礼で次のような話をしました。
〝前回の朝礼では、「すべての生物が生きることはゴミを出すことであるが、ある生物にとって不要な物であるゴミは別の生物の栄養になる。ライオンが食べたシマウマの骨や皮や糞などは微生物によって土に返る、生物が出す炭酸ガスは植物の光合成のために必要である。」という話をしました。このように自然界では、すべてのものが循環してゴミのない環境が保たれてきたのです。しかし、近年、人間社会においてはゴミの処理が大きな社会問題になってきました。この原因は、経済の発展に伴い、急速にゴミの量が増えたことです。今皆さんは日本人1人が1日にどれくらいの量のゴミを出していると思いますか? 何と1.1キログラムなのです。100年前はというと、1人が出すゴミはわずか100グラムでした。
よく日本の江戸時代は環境に配慮された素晴らしい循環型の社会であったと言われています。米や農作物が中心の食事、綿や絹を使った衣服、木材を中心とした住居、燃料は山から採取してきた芝や薪、肥料は人糞や堆肥が中心でした。ところが二十世紀になって工業化が進むと、石油や鉱物資源を原料とする数多くの製品が生まれてきました。そして、大量にモノを作る技術が確立されました。この技術革新によって、次々と高性能の製品が作られることになり、「大量生産・買い替え・大量廃棄」というパターンが定着してしまったのです。同時に都市化が進み、人口が大きな都市に集中することになりました。そして、大量のゴミが発生し、廃棄物を処理しなければならないことになってきたのです。
現在のゴミ処理の方法は、各家庭がさまざまなゴミをポリ袋の中に入れて出し、地方自治体はこれらをゴミ回収車で集めるというシステムです。そして、不燃ゴミと燃えるゴミに分け、不燃ごみは埋め立て、残りは焼却炉で燃やしています。しかし、国土の狭い日本ではゴミを埋め立てる場所には限界があります。また、ゴミを燃やすと、ダイオキシンが発生する、大量の石油が必要となる、二酸化炭素も発生するということになります。これまでは廃棄するのはタダという感覚でしたが、廃棄するのには大きなお金がかかります。この一方で、さまざまな資源が枯渇し始めています。
これを防ぐためには、廃棄するゴミを減らすと共にゴミを再資源として活用するということが大切です。そのために皆さんにお願いしたいのは、まず学校や家庭においてどのようなものをゴミとして出しているかを調べるということです。生ゴミ、紙、プラスチック、ガラス、金属など色々なものがあると思います。次に、これらがどのように生まれ変わっているのかを調べてみてください。そうすれば、ほとんどのゴミが再活用できるということが分かるはずです。
次回はゴミの再資源化の具体例やゴミの争奪といったテーマでお話しします。〟