自ら疑問を持ち調べ考える
2月15日(火)、心配していた雪も溶け出し、大きな混乱もなく授業がスタートしました。生徒達はあと1ヵ月少しでそれぞれ進学や進級をしますが、最近教育と職業とのギャップについて取り上げられることが多くなってきましたので、この背景について考えてみることにします。
幼少の頃には親や周囲の人に対して 「なぜ?」 「どうして?」 という質問をします。ところが、大きくなるにつれて、このような質問をしなくなってしまいます。この理由は色々考えられますが、大人があまりにも多くのことを与え過ぎているのではないかと思います。近年、少子化の影響もあり、親は子どもに対してあれこれとかまい過ぎ、自分の思いどおりに育てようとします。そうなると子どもは親の意思のまま、言われたことをしておけば良いというようになりがちです。また、学校での学習についても先生が細かく指示してあげないと自分からはやらないということになってしまいます。このやり方は言われたことを忠実にこなす子どもにとって、ある時期までは非常に効果的です。現に試験で高得点を取る人の中には、このタイプの人が数多くいます。この結果、大学生になっても受身的で自律できていない人が多いのです。しかし、このままの状態では社会では通用しません。
何故なら、学校では通常ある問題が示され、この答えが求められます。また、正しい答えは概ね一つしかありません。これに対して社会では「何が問題なのか」を自分で探しださなくてはなりません。そしてこの問題を解決していくために知恵を絞り出さなくてはなりません。いくら豊富な知識を持っていたとしても活用できなければ何にもならないのです。社会で必要とされるのは『課題発見能力』と『課題解決能力』なのです。
それでは、どのようにすればこのような力がつくのでしょうか。それは知識を一方的に吸収することではありません。何よりも大切なことは色々なことに関心を持ち、疑問に思うことがあれば自分で調べることです。そして、自分なりにどうすればよいのかを考えていかなければなりません。受身ではなく自ら積極的に行動するという姿勢を続けることにより、社会人として課題を発見し解決する力が身についていくのではないでしょうか。