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中学卒業式の式辞から~②困難に打ち勝つ

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  〝二つ目は〝困難に打ち勝つ〟ということです。
  先週末に、東北地方を中心に日本の観測史上最大と言われるマグニチュード9.0という巨大地震が発生しました。これはこの100年間に世界で起こった地震の中で四番目の大きさで、阪神淡路大震災の実に約1500倍の膨大なエネルギーだと言われています。
現在、被災された皆さんは、数々の大切なものを失いながらも懸命に生き抜こうとされています。後ろを振り返っている余裕はありません。悲しみを乗り越え、一からスタートされようとしているのです。
  そして、外国の人々から賞賛されているのは、このような極限の状況におかれていても節度を保っている日本人の姿です。多くの避難所では怒りの声もなく、けんかも起きていない。お年寄りや子どもをいたわり、進んで食べ物を分け合っている。大きな災害の後に多くの国で必ず起きる商品の値上げや略奪もないといった姿です。このような日本人の忍耐力や結束力、他人に対する思いやりの心は他の国では考えられないことです。
  人間の一生にはさまざまな困難が待ち受けていますが、これを避けていては消極的で実に味気ない人生になってしまいます。昔から〝艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす〟という言葉がありますが、この意味は〝苦労を乗り越えていくことで、玉が磨かれるように人格が練磨され、立派な人間になる〟ということです。皆さんは、どのような時にも日本人としての素晴らしい精神力を持って困難に立ち向かい、これを乗り越えることによって逞しく成長していって欲しいと思います。〟