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大震災の体験を語る ①

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  3月24日(木)、本年度最後の合同全校朝礼と修了式、続いて離任式を実施しました。定刻9時の5分前には既に卒業した中学3年生、高校3年生を除いた中学1・2年生と高校1・2年生が体育館に集合しました。最初に全校朝礼において、今回の大震災で被災した東北大学2年生のIさんから当時の様子についての生々しい体験談をしていただき、その後全員で黙祷を行ないました。生徒達はIさんの話に聞き入っていましたが、この中で印象的な内容を次に紹介したいと思います。

〝今回の地震より前にも二度、少し大きめの地震が来ていましたが、11日の地震はそれらとは比べものにならないほど大きくて、長くて、とても怖い地震でした。一瞬で家の中はぐちゃぐちゃになり、電気もガスも止まってしまい、その日から一週間の避難生活を余儀なくされました。・・・
  私は仙台の中心部に住んでいたので、津波の被害もなく、本当に最小限の被害を受けただけでしたが、自転車で15分ほど行ったところまで、津波が来ていたり、大学もこわれてしまったり・・・と恐ろしい状況でした。一週間避難していたうち、最初の2日間は心細い状況の中で、毛布に包まって過ごすか、炊き出しをもらいに行くか、外に出てやっているお店がないか探し回るという生活でした。その後、大学の部活の人たちが集まっている他の避難所に移動し、市内の一部の電気と水道が復活したためその地域に住んでいる子の家に泊まらせてもらうことになりました。
  避難生活は毎朝6時半に起きて、とりあえずその日食べるものを確保するため、お店に並ぶというところからスタートしました。10時の開店でも7時半には長蛇の列ができていて、買い物するのも半日がかりでした。それでも我慢して並べば食べ物が手に入るだけ恵まれていたと思います。本当に生きるのに最低限必要なものを手に入れるのが、困難な状況でした。買い物が終わってお昼を食べて、夜怖くて寝られない分昼寝をすると、もう夜で晩ごはんを食べたら一日が終わるという生活でした。毎日生きるために何かをして、生きることだけで精一杯の日々でした。〟
                            ・・・・・ 《続く》