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学校経営~PDCAサイクルを回す

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  円滑な経営を推進していくためにはPLAN(計画)-DO(実行)-CHECK(評価)-ACT(改善)という『PDCAサイクル』を回していくことが大切ですが、9年前に初めて公立高校の校長に就任して感じたのは、経営という視点が欠落しているということでした。
  良い経営を進めていくためには、まずやるべき課題があって、これを解決するために〝どれだけのヒトやモノやカネが必要であり、どういう組織体制で推進するのか。そして、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうするのか」〟を明確にすることが必要です。経営というのは企業のことだと思っている人がいますが、計画を立てて実行していくのはすべて経営なのです。このように考えると国も都道府県も市町村も病院も学校も経営であるということができます。現在、国や地方公共団体については膨大な債務超過に陥っていますが、企業であれば倒産は避けられないということになります。今、世の中で優良企業と言われているところは、この仕組みが確立しており、反対にうまくいっていないところは、この仕組みが機能していないのです。
  これまで、学校については大きな問題がない限り、前年と同じことを繰り返してきたことが多かったようです。この最大の理由は「やるべき課題とヒト・モノ・カネが連動していない」ということです。特に公立の場合は、予算や人の裏づけがないまま新年度がスタートする、言い換えるとしっかりとしたPLAN(計画)がないままにDO(実行)が行なわれています。そして、十分なCHECK(評価)もなされていません。これでは、いつまで経っても学校の改革は進みません。
  これに比べて、私学の場合は一般企業と同じように、比較的PLAN-DO-CHECK-ACTのサイクルをまわしていくという学校経営が可能です。つまり、智恵を絞り出すことにより〝独自の特色ある学校経営〟ができるということです。しかし、昨今教育界を取り巻く環境が激変しているため、この変化に迅速かつ柔軟に対応していかなければ、遅れてしまうことになります。
  まさに、今はそれぞれの私学にとっての正念場であり、学校経営の真価が問われるようになってきているように感じています。