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大阪私学経営者協議会研修会に参加して

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  4月21日(木)、大阪府の私学経営者協議会の春季研修会において『新たな視点で魅力ある私学をつくる』というテーマで講演を行なった後、出席者のメンバーと懇談しました。この研修会は大阪府の私学のトップの方を対象にして、毎年この時期に開催されています。今回の研修会では大きく「労働紛争」「学校づくり」「私学助成」「教職員の労働時間管理」「関西経済」等、時流に即したテーマが盛り込まれています。
  今、私学を取り巻く環境は激変しており、従来の経営手法を踏襲していくことは非常に難しくなってきています。特に、大阪府においては、公立高校の授業料の無償化に伴い、私学助成のあり方が大きく見直されることになりました。具体的には、公費負担する上限の年間授業料を58万円に設定した上で、私立高校の授業料の無償化の対象世帯を拡大しようとするものです。 一方、高校への運営補助金については、生徒1人あたりの単価(今年度約28万円)の頭割りで配分されることになりました。この狙いは「中低所得層の保護者負担をなくすことにより、授業料無償の公立高校と同一の競争条件にする」ということです。
  この結果、従来の枠組みが大きく変化し、今春の入試においては私立高校へのシフトが進み、公立高校の中には大幅な定員割れになるところが続出することになりました。また、私立においても大規模校とそれ以外の学校では従来以上に大きな格差が生じ、二極化が顕著になってきました。
  大阪府においては、これから公立、私立という枠組みを超えて、同じ条件化で切磋琢磨していくことになりますが、公立と私立ではさまざまなシステム上の違いがあります。いずれにしても、厳しい財政状況にあって、税金という公費がどのように投入され、どのような成果に結びついているのかをしっかりと把握、分析していく必要があると思っています。
  本校は兵庫県にあり、私学助成については大阪府とは異なる制度になっていますが、これから一層少子化で生徒数が減少していく中で、生徒や保護者の皆さんにとって魅力のある学校づくりを進めていかなければならないと痛感しています。