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日本の偉人~二宮尊徳②

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  二宮尊徳(金次郎)の偉いところは、人を恨んだり自分の境遇を嘆いたりせず、努力を重ねたことです。彼には次から次へと困難や災難が降りかかってきますが、その都度不屈の精神で知恵を搾り出して人が手をつけなかった荒れ果てた土地を米が豊かに実る田んぼに生まれ変わらせました。そして、このようなたゆまぬ努力により自分の家を立て直したのです。
  この噂が小田原藩主の耳に入り、下野(しもつけ・栃木県)にある領地の再興を命じられることになります。この地はかつて戸数450、年貢米1万俵でしたが、その時には人口が3分の1、年貢米が5分の1にまで減り、貧乏と共に道徳的堕落がみなぎっていました。金次郎は、自分はただの百姓であり、このような仕事をしたことがないことを理由に、何度も藩主の申し出を断り続けましたが、ついに立ち上がります。そして、「金銭を与え、租税を免ずるのは彼らを救う道ではない。それはただ貪欲と無頼を招くだけであり、勤勉と自助だけがこれらの村を救う道である。」と言って再興に取り組みました。当時のエピソードが数多く残っていますので紹介します。
  ある農村の指導者が農民の信頼を失って金次郎のところに相談にやってきた時、彼はこのように諭したそうです。「自分が儲けようとして、他の人たちのことを考えないのは、動物と同じで人間として失格です。自分が得をしようとする気持ちを捨てて、全財産を村の人たちのために使うなら、あなたはきっと人々から信用されるようになるでしょう。」その指導者はこの言葉を聞いて迷った末に正直に実行しました。彼が全財産を投げ打って村人のために働いている間に、金次郎は自分の蓄えでもって彼の家族を助けたそうです。この結果、指導者は以前に増して豊かな生活を送れるようになったとのことです。
  彼はいつも農民達に「真面目にこつこつ努力すること」「無駄遣いせずに倹約すること」の大切さを語り続けました。そして、金次郎はこの指導者に教えたことを自ら実行に移すことによって、貧しい農村を豊かな村に復興させることに成功したのです。 ≪続く≫