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複雑化する経営の舵取り

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  昨今、国内におけるデフレや急速なグローバル化に伴う激烈な競争に加え、今回の東北大震災の影響を受けて、企業経営はますま厳しさを増しています。振り返ると、日本の高度成長期には、売上げも利益も右肩上がりという状況が続き、ただがむしゃらに前を向いて走るという経営スタイルで十分だったように感じます。メーカーを例にとれば前年に比べて数量や台数が何パーセントアップしているかという指標を管理しておけば増収・増益が達成されていました。そして、よりコストを下げるために、大型の設備投資を行なってきたのです。この結果、製品の単価が大幅に下がり、販売台数も増加することになりました。しかし、価格競争が激化すると、販売台数が増えても売上げが増えないということになってしまいます。このままでは利益が確保できないため、更にコストダウンをはかろうとしますが、ついにはコストダウンが製品単価のダウンに追いつかないということになり、赤字経営に陥ります。この赤字を解消するために製品の値上げをすれば、たちまち販売が減少することになります。そして、大量に作っても利益が出ない、逆に作らなければもっと大きな赤字が出るという状況に陥ってしまいます。この泥沼の状態になると体力のない企業は市場からの撤退を余儀なくされてしまうことになります。現在の薄型テレビの事業などは全くこのパターンに陥ってきているのです。
  このことから解るように、数量や台数だけでなく販売高、利益額、製品単価、コスト等さまざまな項目にわたって、きめ細かい管理をしておくことが必要となってきており、それだけ経営が複雑化してきていると言えます。
  何故、このような話題を持ち出したかと言うと、さまざまな分野でこれと同様の動きが出てきているからです。製造業だけではなく流通業も金融業も同様であり、教育界も例外ではありません。まさに、これからの学校経営はいかにあるべきかをしっかりと考えて舵取りをしていかなければならないと思っています。