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日本の電源別発電電力量

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  現在の日本の電源別発電電力量を見ると、石炭、石油、天然ガスの占める割合が全体の3分の2(66.1%)となっており、原子力はほぼ4分の1(24%)、水力その他は10%にも達していません。このことから解るように、わが国の電力は石炭、石油、天然ガスによる火力発電が主力になっているのです。これらの化石燃料は、ほとんど海外からの輸入に頼っているため、最近、新興国の需要の増大による国際価格高騰の影響を受けることになってきました。また、火力発電ではCO2を発生させるため、地球の温暖化防止という視点に立つと、徐々に削減していかなければなりません。
  このような背景の下、わが国ではクリーンエネルギーへの転換をはかるための基本政策として、原子力を柱にした取り組みを推進することとし、将来は発電電力量の50%を原子力でまかなうことを目指してきました。この結論にいたるまでには、チェルノブイリやスリーマイルド島の事故の経験から、原発の安全性については激しい論議がかわされてきました。そして、地震が頻発する日本においては、他国よりも堅牢な原発の建設が求められてきたのです。しかし、今回の震災では大津波による電源喪失という事態を招くことになり、原発の安全神話が崩れてしまいました。
 
  これから日本におけるエネルギー問題は“海外依存度を減らす” “安全性を確保する” “地球温暖化を防ぐ”という三つの切り口で取り組まなければなりません。
  現在、火力と原子力以外の発電電力量はわずかですが、このうちダムの建設が必要となる水力発電は期待できません。そうすると、現在2.8%しかない「その他のクリーンエネルギー」をいかに伸ばしていくかがポイントになります。どのようなクリーンエネルギーがあるのかを順次取り上げていきたいと思っています。