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全校朝礼~原子力発電の現状

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  5月11日(水)、雨天のため、体育館で全校朝礼を行ない、次のような話をしました。

  〝今日で東北・関東大震災から丁度2ヶ月になります。しかし、今もなお避難所生活を送っておられる人が数多くおられます。今回の震災は、地震・津波・原発事故・風評(うわさ)という4つの大きな被害をもたらしましたが、今日はこの原子力発電についてお話ししたいと思います。
  皆さんは、今回原子力発電所の危険性ということについて再認識したのではないかと思います。そして、原発は直ちに廃止した方が良いと感じている人も多いと思います。しかし、一方で、夏にはエアコンがなければやっていけない、また冷蔵庫もTV、照明器具、炊飯器、お風呂もなくては困るということになっているのではないでしょうか。このように、今、皆さんの生活は電気のない生活など考えられないようになってきているのです。電気の供給ができなくなれば、当然のことながら今の生活は維持できないということになります。
  そのためには、日本における電力事情について理解しておくことが大切です。現在の日本の電力供給の内訳は、火力発電が全体の約3分の2で、原子力発電は約4分の1、残りは水力発電と新エネルギーです。このうち、火力発電所は、石油・石炭・天然ガスを原料に発電しますが、原料はすべて輸入しており、これらの原料はどんどん高騰しています。これを避けるために、日本は火力発電のウエイトを下げ、原子力のウエイトを高めるというエネルギー政策を選択してきました。そして、将来的には原子力発電のウエイトを50パーセント以上にするということにしたのです。
  皆さんは、原子力発電所がどのようなものか想像できますか。私は四国で勤務していた時に、愛媛県の西端にある四国電力の伊方原発をたびたび訪問しました。厳しい入門チェックを受け、防護服を着て、施設の中に入っていくのですが、一口で言うと膨大な水を使用している大きなドームという印象です。原発では電気を得るために大量の熱が出ますが、この熱を冷ますために大量の水が必要なのです。どれ位の水を使うのかというと、1秒間に70tの海水を引き込んで、温度を7度暖めて、再び海に戻しています。70tというのは、大阪で一番大きい淀川の1秒間の流量のほぼ半分位です。
さて、日本に54基ある原発のうち、停止しているものと現在点検中で稼動できないものを含めると42基、実に約80パーセントということになります。
  それでは、私達ができることは何でしょうか。まずは電気を無駄遣いしないという「節電」です。そして、新しいエネルギーを何とか創出していかなければなりません。日本は第二次世界大戦で、全土が現在の震災地のような焼野が原になりました。しかし、それから20年も経たない間に東京オリンピックを開催し、新幹線を走らせることになりました。これから20年先ということになると、皆さんは30歳台になっていますが、日本は素晴らしい数多くの技術を有しており、立派に立ち直っていると思います。頑張りましょう。〟