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巨大地震に備える

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  今回の東日本大震災においては、何度となく〝想定外〟という言葉が使われましたが、これまで万全であると思われていた震災対策についても、今一度根本から見直していくことが必要です。この中でも、とりわけ留意しておかなくてはならないのは、近い将来発生すると言われている東海・東南海・南海地震です。この地震は2030年までに40~50パーセントの確率で発生するとされており、マグニチュード8クラスの巨大地震(海溝型地震)であると考えられ、強い揺れや津波が来襲する地域も広範囲にわたると予想されています。
  この根拠としては地質調査や文献資料を基に地震の研究が進み、過去の発生状況が約90年~150年(中世以前の発生記録では200年以上)の間隔であるということが判ってきたからなのです。このため、今後も同じような発生パターンをとると推測されています。明確な記述がないものもありますが、これまで判明しているものをあげると次のとおりとなります。

◇684年白鳳地震:11月29日にM8.0~8.3の白鳳南海地震が発生。同時期に東海地震と東南海地震が発生したと推定。
◇887年 仁和地震:8月26日にM8.0~8.3の仁和南海地震が発生。同時期に東海地震と東南海地震が発生したと地質調査により推定。
◇950~1000年頃、東海、東南海、南海地震のいずれかまたは複数が発生したと推定。
◇1096年~1099年 永長・康和地震:1096年1月24日にM 8.0~8.5の永長東海地震が発生。3年後の同日にM8.0~8.5の康和南海地震が発生。
◇1200年ごろ、東海、東南海、南海地震のいずれかまたは複数が発生したと推定。
◇1361年 正平地震:8月3日にM8.0~8.5の正平南海地震が発生。
◇1498年9月11日 明応地震(東海・東南海地震):M8.2~8.4。その2ヶ月前の6月30日に九州から東海にかけて地震被害の記録がある南海地震ではないかと推定。
◇1605年2月3日 慶長地震:M7.9~8.0の東海・東南海地震と南海地震が同時に発生。死者5千人以上
◇1707年10月28日 宝永地震:M8.6(これまで日本史上最大とされている)の東海・東南海地震と南海地震が同時に発生。この地震の49日後に富士山が噴火し宝永山(火口)ができる(宝永大噴火)。倒壊家屋6万戸余。土佐を中心に大津波が襲った。
◇1854年12月23日 安政地震:安政東海・東南海地震が発生。
◇1944年12月7日 M7.9の昭和東南海地震、1946年12月21日 M8.0の昭和南海地震が発生。

  これらの地震を見ると単一の震源で同時刻に発生するものだけではなく、3つの地震が起こった時間が非常に近いということが分かります。いたずらに不安をあおるものではありませんが、この3つの地震が一挙に起きた場合、また安政地震のように短い間隔で起きた場合は、太平洋ベルト全域に地震動による被害が及ぶことになるため、地域相互の救援・支援は実質不可能となると見られています。
  2010年の防災の日には初めて3地震の連動発生を想定した訓練が実施され、今後これらは強化されていくと思います。しかし、この活動にも限界があります。行政に頼っているだけではなく、「自助」という考え方に立って自分達ができる身近なことから行動に移していきたいものです。