« 環境月間を迎えて | メイン | 平成23年度ユーデック主催の学校見学会 »

今なぜ食育なのか

P1020637.jpg 西谷野菜 018-1.jpg
   高校校舎横で収穫したタマネギ         地産地消(食堂のメニューに)

  先日も中学・高校の新入生を対象に食育講座を実施しましたが、人間が生きていくための基本である食の重要性について理解しておかなくてならないことが三つあると思います。
  一つ目は「個人」に関する問題です。本校においては〝将来社会で役立つ人材の育成〟を教育方針に掲げていますが、社会で活躍するためには「健康」ということが大前提です。しかし、案外この当たり前のことが解っていないと思われるケースが散見されます。そして、病気になって初めて健康の有難さに気づくのです。私もこれまで民間企業での勤務を通じて、優れた能力を有しながら健康を害して十分な働きができなかったという人を何人も見てきました。健康管理のポイントは〝睡眠〟〝食事〟〝運動〟であると言われていますが、とりわけ1日3回の食事に気をつけている人とおろそかにしている人とでは、長い間には健康面で随分大きな差になってくると思われます。
  二つ目は「医療費」に関する問題点です。2010年11月に厚生労働省が発表した医療費の総額は実に34兆8084億円で、国民一人当たり27万円2600円という数字になります。1か月に直すと一人2万円強ということです。そして、高齢化に伴い、この医療費は年々増加してきているのです。
  三つ目は「地球環境」に関する問題点です。日本は海外から大量の食料を輸入していますが、これに伴う輸送費や食料廃棄の費用は膨大な金額になっています。また、大量の水や肥料を使い、二酸化炭素を発生させているのです。
このような問題を解消し、健康を維持し、医療費を下げ、地球環境を守るということが大切であると思います。わが国では、この40~50年の間に、米と魚と野菜中心の食事から畜産物と油脂が大幅増加するということになってしまいました。言い換えると「食の西洋化」が急速に進んできたのです。かつて日本の朝食は白米に味噌汁、それに漬物、納豆、梅干といったものが一般的でしたが、最近では若い人を中心にパンや牛乳が主体になっているようです。この結果として、大腸がんや生活習慣病といったものも増加傾向にあります。今一度、食生活を見直していくことが必要であると思っています。

西谷野菜付食堂定食002-1.jpg 食堂のパン005-1.jpg