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赤毛のアンAnne of Green Gable

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  8月3日(水)、研修3日目になり、生徒達も少しずつペースがつかめてきたようである。
本日の午前中のプログラムは、英語のレッスンと並行してアイスクリーム作りとアイスクリーム・ソングの練習である。このアイスクリーム作りは赤毛のアンの物語の中に出てくる一場面であり、生徒達はアイスクリーム・ソングを聞きながら牛乳や砂糖、塩、バニラ、練乳、氷等のさまざまな材料を使ってアイスクリーム作りを行なった。出来上がったアイスクリームはソフトクリームのような食感であり、全員で美味しくいただいた。
  午後からは、ミュージカル「赤毛のアン」の鑑賞を行なった。毎年雲雀丘の研修生に対しては、特別扱いで前列の良い席を用意していただいているため迫力満点である。すべて英語なので生徒達にとっては十分に理解できるかどうか心配していたが、事前に日本語のビデオを見ていたり、本を読んでいる生徒も多く、十分堪能したようだ。また公演後、舞台裏を見せていただいたが、出演者全員が出迎えてくれ、生徒達は一緒に写真を撮ってもらって大いに感動していた。

  この『赤毛のアンAnne of Green Gables』は、プリンス・エドワード島で生まれたルーシー・モード・モンゴメリが自分自身の少女時代と重ね合わせて書き上げた物語で、1908年の初版発売以来、30カ国以上で翻訳され、世界中で親しまれるようになってきている。丁度前回訪問した3年前は記念すべき発刊100周年にあたっていたため、プリンス・エドワード・アイランド州として記念切手や記念コインを発行する等の企画がなされていたが、今回は特別の催しはないようである。
  モンゴメリは海沿いの農業を中心としたキャベンディッシュで幼年期、少女時代、青春時代、結婚後と島を離れてトロントに移るまで実に30年以上もこの島で過ごしていた。従って、アンが暮らす村のモデルになったキャベンディッシュ周辺には物語で描写された場所が何ヶ所も存在している。例えば、アンが孤児院から引き取られ、少女時代をすごした赤毛のアンのモデルとなった『グリーン・ゲイブルズ』には、モンゴメリは度々訪れていたし、元はモンゴメリのおばさんの家で現在もキャンベル家の人たちが暮らしているグリーン・ゲイブルズ博物館は、彼女の大のお気に入りで祖母の死後3ヵ月はここで過ごし、1911年には一階の客間でユーアン・マクドナルド牧師と結婚式をあげたことでも知られている。また、母が結核で亡くなり、祖父母に引き取られるまでの1年9ヵ月を過ごしたモンゴメリの生家やお墓もある。このようにモンゴメリーにとって、プリンス・エドワード島は精神的な故郷の地になっており、彼女の書いた20冊の小説のうち1冊を除いてはすべてこの島が舞台になっている。
  現存している実際の建物の見学やミュージカルの鑑賞を通じて赤毛のアンの物語の足跡を辿っていくのも実に味わい深いものがあるようだ。