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カナダ研修後記~①カナダの概要

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  生徒達には今回のカナダ研修にあたって、事前に色々なことを調べておくようにお願いしていたが、研修を終えた現時点で、カナダという国の概要についてまとめてみたい。
  
  カナダはイギリス連邦を構成する1自治国で、元首はエリザベス女王であり、10の自治州と3つの准州より成り立っている。しかし、国旗には他の自治国と異なりユニオンジャックがなく、カエデの葉と両端の赤いラインで構成されている。公用語は英語とフランス語、宗教は約8割がクリスチャンである。
  国土面積は997.1平方キロメーターでロシアに次いで世界第2位、日本の実に27倍もあり、アラスカ(アメリカ領)を除く北アメリカ大陸の北半分を占めている。北はコロンビア岬の北緯83度6分、南はエリー湖中のペレー島の北緯41度41分であるが、国土の大部分は山地や岩石、極地で人の住めない土地であり、開発された地域は国土の3分の1以下にすぎない。
  耕地や居住地は南のアメリカとの国境沿いや五大湖沿岸のベルト地帯の11%に集中している。人口は3387万人(2009年10月現在)で、日本の約4分の1である。また、移民の国という通称どおり、200を超える民族から形成されており、4人に1人はカナダ国外で生まれた移民一世である。
  気候的にはかなり厳しく、1月の平均気温が零度以上となるのは、バンクーバー付近のみであり、中部から北部にかけては広大な針葉樹林やツンドラ氷河地帯が広がっている。地形は西部太平洋のロッキー山系と東部大西洋のアパラチア山系の両者にはさまれた広大な地域で耕地・平原・低地の3地域に大別されている。
  有名な五大湖にしても、日本の面積の80%がすっぽりと入ってしまう大きさであり、オンタリオ湖ひとつとってみても、琵琶湖の実に30倍近い大きさであるから湖というよりは大海という表現の方がぴったりするようである。
  産業・経済面を見ると、植民の初期はタイガでの毛皮獣の捕獲および毛皮の取引が主であったが、その後鉱物資源や林産資源の開発、農業開発が進んだ。南部のプレリー地帯の小麦栽培と畜産、金銀銅ニッケル・ウランなどの鉱物、アルバータ州を中心とする石油天然ガス、東部や西部の林業・漁業も重要である。五大湖からセントローレンス川岸を中心に食品加工・石油精製・自動車・パルプ・製鉄・鉄鉱・機械・鉄道車輌、ハイテク関連などの工業も盛んで、実に輸出額の3分の2、GNPの3分の1を占めている。また、近年、石油価格の高騰に伴い、オイル・シェールやオイルサンド等の開発も進んで、きており、オーストラリアやブラジルと共に世界有数の資源国として世界から注目を集めている。