10年の歳月を経て
大阪府立の校長に就任するということで、私がパナソニック(株)を退職したのは平成13年の末でした。そして、3ヶ月間にわたる教育センターでの研修を経て、平成14年の4月から守口北高校(兼)芦間高校の校長として赴任しました。芦間高校は守口高校と守口北高校が再編統合されて新設された「総合学科制」の学校です。月日の経つのは早いもので、この芦間高校がこの度、創立10周年を迎えることになりました。これはとりも直さず、私が教育の仕事に就いて10年になるということを意味しています。正直なところ、これほど長く教育関係の仕事をするとは夢にも思っていませんでした。
この節目にあたって、芦間高校では記念誌を発行し、11月には記念式典を開催するとの連絡を受けたため、先般創立時の思い出を認め(したため)た原稿をお送りすると共に、久しぶりに文化祭の見学を兼ねて学校を訪問しました。しかし、当時の先生はほとんどが転勤されており、校長も三代目ということで、学校の様子も随分変わっていました。
公立の場合には転勤があり、必ずしも希望する学校で勤務できるかどうかは分かりません。そのため、年数が経てば創立の精神が薄らいでしまうようです。また、それぞれの学校には校是がありますが、これがしっかりと受け継がれている学校は少ないように感じます。
現在、教育界を取り巻く環境は大きく変化してきているため、教育活動の中身については都度見直しが必要です。しかし、どの時代にあっても学校のバックボーンである創立の精神や校是は不変のものとして、折に触れて確認しておく必要があります。
私学の良さは、これらの精神が脈々と受け継がれていることです。現在、本校においては学校改革を推進中ですが、全教職員がこれらを胸に刻み込んで、日々の教育活動を進めていきたいと思っています。