創造力を高める折り紙
本校では単なる知識詰め込み型の教育ではなく、できるだけ生徒の興味を引き出すことに注力しています。この度、中学3年生の幾何の授業を担当されている先生から〝生徒が素晴らしい作品を作ってきた〟との報告を受けました。この作品は折り紙を使った『五角星の正12面体』と『20-12準正多面体』の作品として仕上がっており、形の面白さだけでなく、色彩の組み合わせも見事です。次に担当の先生の話と本人の感想について紹介します。
《担当の先生の話》
〝夏休み直前の最後の授業で久しぶりに折り紙を利用した授業を取り上げました。その内容は「A4の定型紙からハサミと糊なしで正五角形が折れること」と「正12面体を作るための複数の正五角形の組み合わせ方」の説明を行ないました。その上で、全員に正五角形を折ってもらいましたが、時間の制約から実際に正12面体を作ることは自主的な課題としたそうです。しかし、この生徒の素晴らしいのは与えられた課題をこなすだけでは満足せず、正五角形の接合方法を工夫して、全く新しい2種類の作品を作り出したことです。〟
《本人の感想》
〝立体を作ったきっかけは授業で長方形から正五角形を作る方法やその正五角形から星形を作る方法を習い、12個つなげると立体ができるということでやってみようと思いました。最初は授業で紹介された正五角形を組み合わせましたが、それだけでは満足せず、もっと違う立体を作りたいと思い、星形を組み合わせようと考えました。家族の用意してくれたカラーコピー用紙と接着剤を使って一つ作ると思ったより美しく、次々と組み合わせを変えていきました。完成した立体は実にきれいで、一つ作り上げる毎に達成感を感じました。また、何かの機会があれば、様々な立体づくりに挑戦していきたいです。〟
本来、勉強は興味を持って取り組むと楽しいものです。しかし、今の日本では押し付けられて嫌々やっている生徒が多いように感じています。これは将来の仕事においても同じです。私のこれまでの経験からしても、やらされているという気持ちでいる限り、良い仕事はできません。本校の徒達が自主的に勉強できるようになって欲しいと思っています。
なお、この作品は図書館の貸し出しカウンターの隅に天井から吊るしており、生徒達も興味を持って眺めているようです。