« 世界の国々のGDPランキング | メイン | ギリシャに端を発する経済危機  »

国際商品の高騰

IMG_0797_2.jpg

  近年、日本はデフレ傾向にあり、工業製品をはじめ多くの物の価格が下がってきており、これが経済成長率の低下に繋がってきています。しかし、一方で国際商品の価格上昇が続いており、今年になって生活必需品の小麦や原油、嗜好品のコーヒー、トウモロコシ、大豆の価格が急騰しています。また、小麦や原油は2008年以来、コーヒーは実に14年ぶりの高値を付けました。この理由は「生産国の天候不順」「新興国の需要拡大」「主要国の金融緩和」等があげられます。
  とりわけ、小麦については政府が全量を調達し製粉会社への売り渡し価格を決めていますが、この1年で2割も上昇することになりました。この結果、製粉大手が業務用の小麦の価格を引き上げたため、製パン会社も7月から値上げに踏み切りました。そして、この動きはうどんや冷凍食品にも広がりつつあります。また、コーヒーについても主産地であるコロンビアの天候が不順であったことや最大産地であるブラジルが今年裏作にあたることで高騰しています。
  更に、石油は中国やインド等の新興国での需要増に加えて、紛争によるリビア産原油の輸出停止の影響で高値が続いています。現在、アメリカやヨーロッパや日本等の主要国の経済は予断を許さない状況下にあり、金融緩和の状態が続いています。つまり、お金がだぶついているのです。今後、これらの資金が投資マネーとして、商品市場に流入してくる可能性は否定できません。グローバル化が進む中で、様々な動きを注視しておくことが大切であると思っています。