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多極化する世界~BRICsに続くVISTA

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  19世紀から20世紀初頭にかけては、世界は完全に欧米の2極を中心に動いていました。そして、第二次世界大戦後には世界の奇跡と言われる復興を遂げた日本を加え、世界は日米欧3極へと移行し、先進7ヵ国(G7)と言われるアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・カナダ・日本が世界をリードし、政治経済面での安定をはかってきたのです。この中でも超大国アメリカの力は絶大で、長い間「アメリカ一極集中」とさえ言われてきました。しかし、同時多発テロやイラク戦争等でアメリカの存在感は低下し、BRICsと言われるブラジル・ロシア・インド・中国が経済的に大きな影響力を持つことになりました。とりわけ、中国の経済成長は目覚しく、ついに日本を抜いてGDP(国内総生産)世界第2の経済大国に躍進することになりました。また、世界第2位の人口保有国であるインドも急速に発展を遂げつつあります。
  更に、今、世界では更に大きな変化が起りつつあります。それはBRICsに続く新興国の台頭です。この代表格がVISTAと言われるベトナム・インドネシア・南アフリカ(サウス・アフリカ)・トルコ(ターキー)・アルゼンチンです。やがて、これらエマージングカントリー(新興国)が世界のGDPの過半を占めるようになってきます。このように、これからの半世紀は急速に世界多極化の時代に向っていくことになります。
  現在、日本社会は少子高齢化に伴う労働人口の減少や需要の低迷、社会保障費の増大等大きな転機を迎えていますが、世界の中で起きている大きな潮流をしっかりととらえておかなければならないと思っています。