新興国における新たなビジネス・モデル
グローバル化の進展に伴い、新興国における消費が爆発的に伸びることになり、新しい市場が次々と誕生してきています。これらの市場は、先進国におけるものとは全く異なる特色を持っているため、先進国での成功モデルは全く通用しないということになります。 これまでの多くの日本企業は、主に先進国に焦点をあてて経営活動を展開してきました。このため、製品についても同一機種を世界の先進諸国で同時発売するというやり方をとってきました。そして、新興国においては、一部の富裕層に限定して製品の供給を行なってきました。つまり、一般大衆については販売対象として考えていなかったということです。分かりやすいように自動車や電気製品を例に挙げると、インドで最も売れている自動車は20万円台、エアコンや冷蔵庫は2万円というように日本の10分の1の価格です。この価格を実現するためには、現在、日本国内で開発・製造・販売している方法では不可能です。材料費、人件費等のコストを一から見直していかなければなりません。そして、新たなビジネス・モデルを作り出していくことが必要になってきます。この結果、経営資源であるヒト・モノ・カネの流れに大きな変化が起こってきます。この中でも、学校教育にとって、とりわけ関係深いのは国籍を超えた「優秀な人材の獲得競争」が起こってくるということです。これからグローバル社会で活躍できる人材の育成をはかっていきたいものです。