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PTA文化教養委員会主催 講演会の開催

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  11月7日(月)、PTA文化教養委員会主催の秋の講演会を開催しました。この催しは毎年、この時期に学園PTA協議会、両幼稚園と小学校の教養委員会の共催で実施してきており、今年の講師は人間性脳科学研究所所長の澤口俊之氏です。同氏は北海道大学理学部生物学科を卒業された後、京都大学大学院の博士課程を修了され、京都大学、北海道大学で勤務され、本年9月からは武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部教授に就任、現在多くのテレビ番組にも出演されています。
  講演のテーマは『子どもの脳をいかに育むか~人間性知能HQを中心として』です。HQというのはHumanity Quotientの略です。
  アメリカの学校教育の指導理念としては、言語、空間、論理数字、音楽、絵画、身体運動、記憶(知識・経験)があり、それぞれの教科の学習を通じて、大脳のそれぞれの部分(複数知能)を鍛えるということが基本になっています。しかし、人間の大脳には15%を占める空白部分があります。これが前頭前野と言われるところで、学校教育ではほとんど無視されていますが、動物の中で人間だけが極端に発達しており、主体性・独創性、好奇心・探究心、やる気・集中力等の未来志向的行動力をつかさどっています。また、理性や思いやり、協調性、高度な言語といった社会関係力とも深い繋がりがあることがわかっています。つまり、社会性(自我)や感情(人格)といった人間らしさの源泉であり、あらゆる知能を統括する実に重要な部分なのです。
  今、社会で問題になっているのはHQの低い若者の増加であり、同氏の研究では一流大学を出て一流企業に就職しても1年以内に30~40%の人間が退職して、ニート化するとのことです。また、HQの高い人は概して高度な職に就き、人生においても成功して幸福になっているようです。
  更に、HQは学力や学習習慣とも深くかかわっており、HQが高い人ほどIQ(知能指数)が高いという相関関係があるようです。脳の成長は8歳で95%に達するため、幼児教育が極めて重要であるとのことですが、10代のIQは数年で大きく変化するとも言われています。
  これからの激動の時代を乗り切るためには、人間として最も重要な知能であるHQ(人間性知能)を鍛えることが必要です。本日の講演をお聴きして、社会で役立つためには〝人間としての根っ子〟を育てることが大切であるということを再確認しました。
  大変な過密スケジュールの中、ご講演いただきました澤口先生に心よりお礼を申し上げます。
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