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戦略を構築する

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 本校では学校経営を進めるにあたって『4つのS』というキイ・ワードを掲げています。これは、戦略・スピード・シンプル・システムです。最近のさまざまな業界を見ても極端な二極化が進展しており、最高益を上げているところがある一方で、大きな赤字を計上するところも散見されます。よく経営がうまくいかなかった時には、外部原因を求めがちですが、あくまで内部に責任があると考えることが大切です。昔から〝戦略の失敗は戦術では補えない〟という言葉がありますが、まさに今は戦略が極めて重要になってきています。
 世の中の変化が小さく、すべての物事が安定的に流れている場合には従来のやり方を踏襲し、部分的な修正を加えていくだけで大きな問題は生じません。しかし、この状態が長く続くと次第に安易な方向に流れ、将来大変な状況になることが予想されてもそのまま放置しておくことが多くなってきます。
 教育現場においても「生徒数が激減する」「情報化やグローバル化が進展する」「企業の求める人材が変わってきている」「キャリア教育がより重要になってくる」「人間力をつけなければならない」といったことが分かっていたのにもかかわらず、これまで思い切った手を打ってこなかったというのが現状です。
 本校においては、平成25年を最終目標到達年として「あるべき姿」を設定し、高校のコース制(平成19年)、中学のコース制(平成20年)、環境教育(平成20年)、新校舎建設(平成22年)、国公立対応型カリキュラム(平成23年)等の導入をはかってきました。また、これらを経営の柱にして、「入口」「校内」「出口」の3つを固めるということで取り組んできました。
  どのような組織においても、新たなことをやろうとすれば、“難しい”とか“大変だ”とか“やらされている”という言葉が発せられることがありますが、これは危機感が薄いからです。今、大切なことは、〝自分達の学校は自らつくる〟という強い思いを持って学校独自の戦略を打ち立てることであると思います。そして、この様な組織風土を作り出していくことが経営トップの姿勢です。生徒や保護者にとって役に立たない学校は存在価値がないと言っても過言ではありません。そして、他校にない差別化(特色づくり)をいかにはかっていくかがポイントになります。そのためには、学校を取り巻く環境とライバル校の動向をしっかりと把握し、独自の戦略を構築していかなければなりません。
 また、本校は雲雀丘学園に属していますが、これからは幼稚園、小学校を含めた学園としての強みを生かす総合戦略を打ち出していくことが何よりも必要であると思っています。