24年度学校経営計画の策定に向けて
本年も残り少なくなってきましたが、私立の中学・高校においては、これから来年3月末までの4か月間は1年のうちでも極めて重要な期間になります。本校においても入試広報活動のつめ、高校入試の教育相談、中学入試、大学センター試験と個別大学試験、高校入試、高校卒業式、中学卒業式、教職員の人事等を次々と推進していくことになります。しかし、これらの他に今、絶対にやっておかなくてはならないのが、次年度の学校経営計画の策定です。この経営計画のためには、今年の反省をキッチリと行ない、課題を明確にした上で来年度につないでいくことが大切です。そして、学校経営を円滑に進めるために明確な方針を打ち出していかなければなりません。これは組織で仕事を進めていく際の基本です。
分かりやすいように企業の例を取り上げると、個人商店の場合にはその日の仕入れや売り上げをきっちり管理しておけば十分ですが、事業の規模が大きくなり従業員の数も増えて仕事が分担されてくるとそれだけでは円滑な経営はできません。ひとつの目標に向かってそれぞれの仕事が繋がり協力体制が築かれていなければなりません。個人から組織で動くということが必要になってくるのです。そのために多くの企業では経営の管理レベルを高めるためのしっかりとした枠組みをつくり上げ、常に改善を加えてきています。
一方、学校においては前年踏襲型の仕事の進め方を続けてきたため、こういった取り組みが弱いという傾向があります。言い換えると『経営計画』が十分出来上がっていないということです。
私はこれまで公立高校も含めて校長の仕事を10年間行なってきましたが、校長の勤務は卒業式・入学式・修学旅行・体育祭・文化祭といった学校行事、生徒に対する生活・進路指導、校長だよりの掲載、学校説明会や相談会・塾対象の広報活動、PTA・保護者との対応、地域交流、授業見学、教職員との面談、さまざまな機関との調整等実に多忙を極めています。このため、ともすると落ち着いて考える時間がとれないということになリがちです。そして気がつくと今年一年間は本当に忙しかったという感想だけが残ることになります。これでは、いつまで経っても良い学校づくりは進みません。
現在、本校は学校改革を進めていますが、環境の変化の激しい中にあって、立ち止まるわけにはいきません。あるべき姿に向けて、来年度(平成24年度)の計画をしっかりと固めるというのが、学校のトップである校長の最大の責務であると思っています。
なお、これまでの経験を踏まえ、学校経営についての考え方をこの校長通信で順次取り上げていく予定です。