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漢字の成り立ちを知る

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  最近、テレビでも漢字に関する番組が増えてきており、その影響もあって書店でも漢字に関する本が数多く並んでいます。この中で、是非一度読んでいただきたいのが、『白川静さんに学ぶ~漢字は楽しい』です。この本は著者である文字文化研究所の小山鉄郎氏が共同通信社の企画として、白川氏から漢字の成り立ちや体系を一つ一つ教えてもらい、全国の新聞に連載されたものをまとめたものです。
  白川静氏は漢字が持つ体系的なつながりを明らかにして文化勲章を受章された漢字学の第一人者ですが、〝漢字という文字は、その成り立ちをきちんと学べば、これらのすべてがお互いに繋がって関連性を持ち、一貫した体系で構成されている。従って、難しい漢字を一つ一つ暗記しなくても容易に漢字を理解することができる〟と書かれています。この続編として『白川静さんに学ぶ~漢字は怖い』も出版されており、興味深い内容が盛り込まれています。私も普段使っている漢字について、知らないことがあまりにも多くあることが分かりました。
  現在の漢字教育は、学年が上がるにつれて、画数の少ない漢字から多い漢字へ習得するシステムになっています。また、戦後、複雑な漢字の簡略化が行なわれた結果、本来の漢字が持つ意味がわからなくなってきています。そのため、学校では漢字を丸暗記させるということになりがちですが、これが子どもたちの漢字嫌いに繋がっているのではないかと思っています。
  また、漢字というと、どうしても中国から借りてきたものという意識がありますが、日本人は借りてきた漢字をそのまま使ったのではなく、数々の言葉を作り出しています。一度、漢字を違った角度から見直していただきたいものです。