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新学習指導要領とつまづき調査 

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  12月24日(土)、大阪府教育委員の小河勝氏に来校いただき、現在の学力問題についてお話いただきました。同氏は1970年(昭和45年)信州大学文理学部を卒業後、大阪市内の中学校勤務を経て、86年に大阪市の教育研究所へ、87年より再び現場に復帰して学力低下問題に注力され、退職後は中学生の自主学習を手助けする「小河学習館」の館長や大阪樟蔭女子大学非常勤講師も務めておられます。とりわけ、「百ます計算」などを取り入れた書き込み式の教材である『小河式プリント』は基礎学力の養成に役立つとして、全国の中学校や学習塾で利用されています。
  出席メンバーは中・高の管理職と小学校の石田校長、井口先生、事務局の山下局長です。最初に小河氏からパワーポイントを使って日本における学力の実態やこれまで指導されてきた全国の小・中の事例を紹介していただきました。百ます計算のスピードや漢字の識字率、個々の生徒のつまづき状況等を分かりやすく説明していただきました。特に小学校において算数の四則計算等でつまづくと、理解できないまま高度な内容に移行するため、これがずっと尾を引くことになります。基礎力をしっかりと身につけておくことが何よりも大切であるということです。
  小河氏が心配されているのは、学習指導要領の改訂によってやるべき内容が大幅に増えてきており、現行の週休二日制の下で十分な教育ができるかどうかということです。現に、公立小学校の現場ではこなしきれない状況になってきており、スピードを重視するあまり、理解不十分なまま上の学年に進むことになってしまいます。
  既に小学校では本年度より新学習指導要領が実施されており、多くの私立小学校では土曜日に授業をする等、授業時間の確保につとめておられるようです。小河氏からは早急に手を打たないとツケを後回しにすることになるという指摘を受けました。
  本学園では、中高は既に完全週六日制に移行し、長期休業も短縮しているため、授業時間数は大幅に上回っていますが、学園としての検討が必要であると感じています。