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世界経済の動き

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      《 PIGS 》                 《G7》 

  先日の入試説明会で説明した「世界や日本の現状」「新しい技術」「企業の動向」等について、これから詳しく掲載していきたいと思います。
  これまでの世界経済はG7と言われる国を中心に動いてきました。このG7というのは、ヨーロッパのイギリス・フランス・ドイツ・イタリアの4国とアメリカ・カナダと日本の7ヵ国(1998年以降はロシアが加わりG8)で、先進国首脳会議が開かれ、世界経済の課題を克服してきました。しかし、新興国の急速な経済発展と先進国の経済の低迷によって、先進諸国だけでは世界経済をコントロールすることができなくなってきたのです。特にBRICsと呼ばれる中国・インド・ブラジル・ロシアのGDP(国内総生産)は世界の約4分の1を占めるまでになってきました。そのため、近年はこの4国に加えて、南アフリカを加えたBRICS(sを大文字のSに変更)の5国やG20の国々による会議が開催されるようになってきました。
  また、最近の世界経済はいたるところで綻び(ほころび)が生じてきています。その最大のものはEUにおける財政・金融問題です。現在、統一通貨であるユーロを使用している国は17に及んでいますが、これらの中で、ギリシャ危機がポルトガル、イタリア、スペインにまで波及し始めています。とりわけ、GDPが大きく、G7の一角を占めるイタリアの国家財政が破綻すると、イタリア国債を大量に保有するドイツやフランスをはじめ世界各国の金融機関が深刻な状況に陥ることになります。
  更に、これまで一極集中と言われたアメリカ経済も、リーマンショック以降本格回復とは言えない状況が続いています。日本経済も総需要の頭打ちに加え、急激な円高の影響で輸出産業を中心に経営が悪化しており、国の経済も依然として低成長が続いています。
  この結果、新興国の経済にも悪影響が出始めており、輸出の不振や外国資本の引き上げ等により、相次いで成長率の下方修正が発表されています。そして、これらの国に石炭や鉄鉱石を提供していた資源国にも翳りが見られるようになって来ました。このように、グローバル化が進んだ結果、単に一つの国にとどまらず、世界の様々な地域に波及することになり、経済が変調をきたすことになるのです。