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不況またよし

松下幸之助さん.bmp
  今年は、3月に東日本大震災が発生し、多数の尊い人命や貴重な財産の喪失等大きな被害をもたらしました。また、この地震に伴う原発事故やサプライチェーンの分断によって、日本経済は大きな打撃を受けることになりました。その後の懸命な努力によって、メーカーの生産体制が整い、増産を始めようとした矢先に、今度はタイでの大洪水が発生し、再び生産活動がストップするということになりました。更に、EUにおける財政・金融問題が加わり、企業経営は軒並み今期の業績の下方修正を余儀なくされています。最近の景況感を見ても景気が悪化するという見方が多くなってきています。まさに、経済の先行きはますます不透明な状況になってきています。
  ところで、松下幸之助氏の言葉に『好況よし、不況またよし』という言葉があります。常識的には、誰もが不況は嫌だ、避けたいということになると思いますが、どうして不況もよいということになるのでしょうか。この意味は、〝不況においては、好況の時には見えなかった部分が見えてくるため、目の前の事象に踊らされることなく、長期的な視点から経営を見直すことができるということです。言い換えると、過去の延長線上で取り組んできた活動内容を抜本的に見直すチャンスになるということになります。
  この経済情勢の変化は、当然のことながら私学経営にも影響を与えることになることが予想されます。
  今年も残り少なくなってきましたが、新しい年を迎えるにあたって、今一度、原点に戻って、すべての活動を見直していきたいと思っています。