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注目すべき新エネルギー~メタンハイドレート

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メタンハイドレート
  我々日本人がしっかりと認識しておかなければならないのは、食料とエネルギーです。これまで何回かにわたって取り上げてきていますが、食料の自給率は39%、エネルギーの自給率は18%しかありません。これらは共に生活必需品であり、世界の人口が急増している中にあっては深刻な不足に陥る恐れがあります。貿易立国である日本はこれまで国際収支面での大きな黒字を確保してきました。そのため、多少国際価格が上昇しても何とかこれらを安定購入することができていました。しかし、製造業の輸出減少に伴い、貿易収支が恒常的に赤字になる危険性が出てきています。これを打破するためには従来の延長線上の考え方ではなく、全く新しい取り組みが必要になってきます。

  このような状況下にあって、昨日エネルギー資源についての新たな動きが伝えられました。これは次世代のエネルギー資源として期待されるメタンハイドレートの産出試験が始まったというものです。この産出試験が行われているのは、愛知・渥美半島の南方沖70kmの海域で、探査船「ちきゅう」によって、およそ1,000メートルの海底に4本の井戸を掘り、メタンハイドレートを分解してガスの採取を行なうことになっています。
  このメタンハイドレートは、メタンガスと水が結晶化した氷のような物質で、〝燃える氷〟と呼ばれています。日本近海にはオホーツク沖、十勝・日高沖、南海トラフ、四国沖等に大量に存在しており、国内の天然ガス消費量のおよそ100年分以上に相当する膨大な量が埋蔵されているとみられています。そのためこのメタンハイドレートを有効活用することが出来れば、日本はエネルギー資源を外国に頼らなくてよくなる日が来ると期待されています。また、世界全体のメタンハイドレード埋蔵量は原油埋蔵量の2倍とも推定されており、メタンハイドレートによる天然ガス資源量は在来型天然ガス枯渇時代の次世代を担えるだけの膨大な量にのぼるのは間違いないと考えられているのです。
  日本は国土面積においては世界で61番目ですが、まわりを海に囲まれているため、海洋面積は6番目です。この海洋こそが日本の最大の資源なのです。海洋にはまだまだ未開拓の部分が数多く残されています。メタンハイドレートを実用化するためには新しい技術改良や資金が必要ですが、世界をリードする再生エネルギーの開発に成功して欲しいと思っています。