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Unlearningの大切さを学ぶ

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  先日、コダック社の破綻や日本の電機各社のテレビ事業の見直しの例を取り上げましたが、過去の成功体験というのはなかなか捨てきれないものです。〝失敗は成功の母〟という言葉がありますが、〝成功は失敗の母〟でもあります。
  最近の企業経営を見ていると成功体験があったために大きな失敗をしているというケースが散見されます。これらの失敗の原因は時代の変化を読み違えていることがほとんどです。今の時代の特徴は、これまで10年かかって徐々に変化してきたことが1年で急激に変わるということです。以前、時代がゆっくりと流れている時には業界の順位というのはほとんど変わりませんでした。しかし、最近は1年で順位が急激に入れ替わるようになってきました。時代の変化が小さい時には概して成功を積み上げていくというやり方が有効であったように思いますが、大きく時代が変化している時には、何事を行なうにもスピードが要求されます。しかし、これは反面大きなリスクを伴うことになるのです。つまり、急ぐあまり誤った経営の意思決定を行なうと期待された成果は得られないばかりか、大きな投資が伴う場合には取り返しのつかないことになりかねません。
  過去にうまくいったという理由で同じ手を使いがちですが、このやり方ではうまくいかないことが多いのです。薄型テレビの大型投資等はまさにこの典型的なパターンです。自らの技術力を過信し、大量生産することによってコストを下げ、大きく販売を伸ばした過去の成功体験が今回の経営危機を招いたのです。経営にとっては、これまでの成功体験を忘れ去り、今一度原点に戻って考えるというUnlearningが大切であると痛感しています。過去のさまざまな例を見ても失敗の芽は成功の時に生まれやすいのです。
  現在、本校の経営は比較的うまくいっていると思いますが、これまでの成功体験を一旦白紙に戻して時代の変化とライバル校の動きをしっかりと読み取り、新たな施策を打ち出していきたいと思っています。