IT(情報処理)スキルを高める
これまで何度も取り上げてきたように、東西冷戦の終結に伴い、グローバル化は急速に進展することになりましたが、これを加速させたのが情報化の進展です。特にインターネットの普及は、時間の壁・地域の壁・人の壁を崩し、いつでも、どこでも、誰とでも情報の伝達ができるようになってきました。この一年間を振り返っても、アラブ諸国における動乱、東日本大震災と原発事故が発生、タイの大洪水、ヨーロッパの財政危機などによって、製造業を中心とする輸出産業に大きな経営の見直しを迫られることになりました。また、国内需要に頼っていては大きな成長が期待できないため、すべての業界において企業は否応なくグローバル化を急がざるを得ない状況になってきています。これからはグローバル展開を意識した日本の企業によるM&Aや海外展開が、益々盛んになっていくことでしょう。この様な状況を考えると、これからの社会においては、語学力と並んで情報処理スキルは欠かせないということになります。
そのため本校においてもITネットワークの基礎知識とプログラミング等の情報処理スキルの習得に注力しています。先日も「情報科」の教諭による研究授業が行われ、プログラミングの元祖でもあるN88-BASICの実習が取り上げられました。このBASIC言語は、一行ずつ機械語に翻訳して実行するインタプリタ方式であるため、プログラム全体が完成しなくても部分的に実行させることができることや、命令が英語であるため初心者向きです。そして、試行錯誤しながらプログラムを完成させることができるため、論理的思考力と判断力も養われることになります。学習内容は、生徒達の興味をひくために図形描画とアニメーションによる「スクロールゲーム~宇宙の彼方へVer.1~」の設計と起動でした。これは宇宙空間を隕石を避けながら進んでいく横スクロールゲームで、生徒達はパソコン画面に集中しながら真剣に作業に取り組んでいました。
生徒達が更に高度な情報処理能力を身につけ、将来の仕事の中での活用をはかっていってくれることを期待しています。なお、プログラミングは、毎年、センター入試においても「数学ⅡB」の選択問題として取り上げられています。