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中学武道必修化について思うこと

 宝塚市中体連の大会が始まっています。本校も柔道、剣道の大会会場になり、市内の中学校から選手、部員や保護者の方が来られています。

 指導要領の改訂により、今年度から中学校の保健体育の授業で男子も女子も武道・ダンスが必修になります。特に、武道の必修化に伴い安全面について危惧する報道等がなされています。公立学校の多くが選択する柔道への風当たりが強いようです。施設設備の充実や指導者の配置等が不十分なところで、必修化が行われるところから、このような危惧がでていると考えられます。本校では柔剣道場の設置はもちろん、体育教員の中に柔道や剣道の専門家を配置し、従来から武道として位置づけ、柔道か剣道の選択という形で男子全員に履修させてきました。いわば、伝統と指導のノウハウが蓄積されていますので、安心していただきたいと考えています。
 武道は「礼に始まり礼に終わる」と言われるように、礼節を重んじます。身体だけでなく心の鍛錬にもウエイトが置かれます。剣道で使用する竹刀には五つの節、袴には五つの襞(ひだ)があります。これらにも儒教で説く五常の教え・・・仁(慈しみ)、義(人の正しい道)、礼(礼節)、智(考え学ぶ力)信(信頼)・・・の意味があるとして指導するなど、人間形成が重視されています。過去に、武道が国家に都合良く利用された歴史があるとの批判もありますが、人間形成における武道の持つ役割を正しく伝承していくことが、今の社会に求められているのではないでしょうか。