中高等学校のコース制の理念 その3
本校のコース制の始まりは平成19年に高校に導入したのが初めです。この原型は平成14年よりスタートした6年一貫カリキュラムの導入、それに基づく中学3年生からの習熟度別クラス(応用と標準)、高校での、応用Ⅰ類とⅠ類にあります。
習熟度やコース制のねらいは何かといえば、生徒の学力伸長のためです。本校での考え方は、一部の優秀な生徒を育てるのではなく、全ての生徒の力を伸ばすためのものと考えています。幅広い学力層の生徒をどう指導するか、その時に、よりきめ細かく対応するためのものとして習熟度やコースを導入しています。コース分けをすると「下のコース」の生徒はモチベーションが下がるのではないか。益々、学力差が大きくなるのではないか等々と危惧されたこともありました。しかし、データを検証する中で、コースに分けてもモチベーションが下がったり、学力差が拡大しなかったということが明らかになりました。
なぜこうなったのか。各校で導入されているコース制を観られる時に、各コースの目標がどうなっているかが一つの判断材料になりますので、よく検討してください。本校では、2つのコース制、中学では一貫と発展、高校では選抜特進と特進を採っています。高校では3つのコースに分かれていますが、一貫と選抜特進は同じ目標ですから、2つといえます。選抜特進と特進の2つのコースはどちらも国公立大対応型のカリキュラムを採用しています。中学、高校ともに入学時の「学力」でコース分けをしており学習の進度や深度の違いはありますが、基本的な目標は同じ所においています。言い換えれば、一貫や選抜特進をモデルに、発展や特進をそのモデルに近づける取り組みをしていると考えてください。この取り組みが、第三ステージへ向けての取り組みです。生徒をどこまで伸ばせるか、それは本校の選抜特進の進学実績にその一端が現れていると考えてください。