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学ぶとは、感動を心に刻むこと

 「学ぶ、(『まねぶ』の変化という)教わる通りに、本を読んだり、物事を考えたり、技芸を覚えたりする。」また、「まね、学ぶと同源の文語動詞『まねぶ』の語幹」と新明解国語辞典にあります。
 「学ぶ」という言葉は以上の通り、「まね」、「まねぶ」というところから来ています。赤ちゃんがお母さんの言葉をオウム返しで繰り返し覚えていく、まさに、「まねぶ」です。学習の基本は繰り返し「まねぶ」、ここにあると思います。
 武道においても「守・破・離」(しゅ・は・り)という言葉があります。修行における順序を表した言葉です。「守」とは、師の教えを忠実に守る。「破」は、師の教えをしっかり身につけ、自分の特性にあった自らの境地を見つける。「離」は、それらの段階を通過し、何者にもとらわれない境地を切り拓く。という意味です。ここでも、最初は「守」、教えを忠実に守る。「まねぶ」です。
 学びのマジックワードとして、「学びたいことがあります。教えてください。お願いします。」を内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)はあげておられます。「これをさらっと口に出せる人はどこまでも成長することができる。この言葉を惜しむ人は学ぶことができないのです。」とまでいわれています。学びには、教えられたことを忠実に守る謙虚さ、素直な心が必要だということだと思います。
 学びを扱った言葉に、私の好きなフレーズ、この詩は1943年、ナチスの弾圧によりストラスブール大学の教授・学生が銃殺、逮捕されたことを痛み書かれた「ストラスブール大学の歌」の一節ですが、「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと。」( ルイ・アラゴン)があります。これを手本に、感動や驚きがある事象は記憶に残るところから、「学ぶとは、感動を心に刻むこと」として、よく使わせていただいています。
 謙虚さ、素直な気持ちを持ち、教えられたことをしっかり守り、そこから次のステージへと進んでいく「本物の学び」を追求していく生徒であってほしいと考えています。