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間について

 【間】「何かのあいだにはさまれた空間・時間。(聴衆や観衆に、個々の場面や状況を強く印象づけるために)連続して行われる話や演技・演奏の中に設ける微妙な時間的空白。」と新明解国語辞典にあります。
 間は、授業や話をする時に非常に大切なものです。間がうまく取れていないと、聞きづらいだけでなく相手の心に響きません。結局、話がうまく伝わらない。そこから、誤解を生じるということにもなりかねません。「間が抜ける」、間抜けな話になってしまいます。
 学習や習い事では、結果や成果がすぐに現れる時もありますが、むしろ、そうでない時の方が多いものです。あと少しで成果が出るという時に、待てずに、だめだと結論を出してしまったりする時があります。現象面には現れていないが、内部で確実に変化が起こっているのにです。あと少しが待てない。現象面に現れてくる迄の、「間」が持てないということです。
 では、どうすれば「間」を身につけることができるのでしょうか。心に心地よく響く音楽や演劇、素晴らしい講演や生徒の心を引きつける授業などを見聞きすることにより自分なりのリズム「間」をつかむことだと思います。また、「間合い」という言葉もあります。相手との「間合い」を計るというように、相手との関係を大切にした言葉です。「間合い」は時間的・物理的な空間を表しますが、相互理解の度合い、タイミングと考えることも大切だと思います。相手の反応などを観ながら話をすることによって、いい「間」をつくることもできます。
 「教えてできる間は間という字を書く。教えてもできない間は魔の字を書く。」(九代目市川団十郎)という名言があります。師の指導を受けることや訓練によって「間」を掴むことができるということです。そこから先の間、教えてもできない「魔」は「自分の力でさぐり当てることが肝心だ」と続きます。けだし名言です。