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ヒッグス粒子

 今朝の新聞は、各紙一面「『ヒッグス粒子』発見か」などの見出しでにぎやかです。ヒッグス粒子は、英国の物理学者ピーター・ヒッグス博士が提唱した、素粒子に質量を誕生させる過程で重要な役割を果たした「神の粒子」と呼ばれているものです。博士の予言から半世紀近くたってからの発見になりそうです。実験を600兆回実施して、物理学の世界で統計的に存在すると認められる確率99.9999%を越えたということです。
 宇宙が誕生した約137億年前のビッグバンから、約100億分の1秒後にヒッグス粒子が飛び回っていた素粒子にまとわりつき質量が誕生した、「万物に質量を与えた」と考えられる粒子です。質量が誕生したことにより、星が誕生し生命の誕生へと繋がった、ということになります。私たちが今あるのもこの粒子のお陰です。
 「何もないと思われていた宇宙空間が、ヒッグス粒子をはじめとするいろいろなもので満ちているということがこれではっきりしてきた。ヒッグス粒子は宇宙の始まりと関係していると同時に、実は宇宙の終わりや運命にも関係している」(村山斉・カブリ数物連携宇宙研究機構長)と指摘されています。
 解明が進んだといっても、宇宙全体のわずか4%のことです。あとの96%は正体不明の暗黒エネルギーと暗黒物質で占められています。
 銀河が地球に対してあらゆる方向に遠ざかっており、その速度は地球から各銀河までの距離に比例していることを発見した「ハッブルの法則」。ここから導き出されたとされる「ビッグバン理論」。それにしても、気が遠くなるような話ですが、ロマンをかきたてる話でもあります。