セミ
校舎前のメタセコイアで鳴くアブラゼミ
毎日暑い日が続いています。朝から「シャンシャン、シャンシャン、シャンシャン」とクマゼミの大合唱。長い地中での生活に比べるとほんの一瞬の地上生活。必死なのはわかりますが、この鳴き声を聞くと一層暑く感じます。同じセミでも「カナカナカナ」と鳴くヒグラシは、夏も終わりに近く秋の訪れを感じさせ、何とも趣があって私は好きです。子どもの頃は、セミといえば羽根の茶色いアブラゼミが多く、ツクツクボウシやクマゼミのように羽根が透き通ったセミは珍しかったように記憶しています。ところが、最近ではアブラゼミが減り、クマゼミが増えているとのこと。地球温暖化とヒートアイランド現象に伴って生息域が北に広がっているとの説もあります。
セミには、北限があって英国やドイツではあまり鳴いていません。イソップ物語の「アリとキリギリス」の話も、元は「アリとセミ」だったそうです。ギリシャなど地中海沿岸部にはセミが生息していても、ヨーロッパ北部にはなじみがないので、英語やドイツ語に翻訳された時、「アリとキリギリス」に変わったと言われています。南仏プロバンスのお土産にセミに関連するものが多いのも、ドイツやパリではセミが珍しいからだそうです。
地球温暖化により生態系に変化が表れてきています。今まで見られなかった珍しいものが見られるようになったと喜んではいられません。プロバンスのお土産に、いつまでもセミが重宝がられるようであって欲しいと願います。