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学問に王道なし

 「幾何学に王道なし」というユークリッドの言葉からきているのではないかという説がありますが、意味は同じこと。「学問に王道」はありません。夏休み最後の追い込みの時期です。池谷裕二著「受験脳の作り方」から私なりに感じたことをまとめてみました。
 「脳が長期間情報を記憶するにはエネルギーを必要とする。だから、不必要な情報は極力捨てエネルギー効率を常に最適化しようとする。言い換えれば、覚えるより、覚えないことを得意とする。ただ、生命維持にとって不可欠と感じると記憶する。学校で習う勉強のほとんどは、この基準に当てはまらない。ならば、脳をだますしかない。ひたすら繰り返し、情報を送り続ける。」大変重要なものだと脳に思わせる。脳をだますことが大切だそうです。
 「忘却曲線によると10個覚えた単語は4時間後には5個になり、1日たつと3個、2日では2個になる。このペースは誰も同じ。しかし忘れた後、再び繰り返して学習すると、今度は4時間後には7個は覚えており、忘却曲線もそれにあわせて1回目の時より緩やかな下降曲線になる。3回目の復習をすると、今度は4時間後には8個覚えている。忘れた単語と言うのは脳から完全に消去されたのではなく、ただ思い出せなくなっているだけ。無意識の世界には保存されているのだが、『潜在的な痕跡』になっている。学習を繰り返すと、その無意識の痕跡が気づかないうちに暗記を助けているとのこと。つまり、復習すれば忘れる速さが遅くなる、ということ。」復習の大切さと「努力は嘘をつかない」ことの証明だと思います。
 「学習の記憶は主体性によっても左右される。能動的なときは受動的な時に比べ、約10倍も脳の神経は活性化している(ネズミの実験)。勉強する時のちょっとした意欲の差ができる人とできない人を分ける。」予習や授業に臨む姿勢の大切さです。
 記憶力と頭の善し悪しは関係ありません。何故できない、何故覚えられないと悩むまえに、ただひたすら、予習・復習をすれば良いということ。それをやりきる「こんな人間になりたい、この大学に行きたい」など、モチベーション(行動へ駆り立て,目標へ向かわせるような内的過程)を高めること。まさに、「学問に王道なし」です。